YouTubeやSNSでよく見かける“歌ってみた”動画。憧れて「自分もやってみたい!」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか?実は、自宅でもしっかりした機材を揃えれば、プロ顔負けのクオリティで録音することも可能なんです。
でも、いざ始めようとすると「何を買えばいいの?」「高い機材を揃えないとダメ?」といった疑問が出てきますよね。この記事では、初めて“歌ってみた”を収録する方向けに、失敗しない機材の選び方と、予算別おすすめセットを分かりやすく解説します!
- 初めて「歌ってみた」にチャレンジするときの正しい機材の選び方
- 金額別おすすめ機材セット
- 家にあるものだけでワンランク上の収録環境を作る方法
- 歌ってみた収録のあるある失敗談と対策法
ドラムの「叩いてみた」の作り方はこちらから!

最低限必要な4つの機材
録音に必要な機材は色々ありますが、実は大切なのは「どれを買うか」よりも「どう使うか」。そしてもう一つ大事なのが、「自分の環境に合っているかどうか」です。
録音機材は性能が高くなるほど、そのポテンシャルを活かすための環境が整っている必要があります。特に次に紹介する”コンデンサーマイク”はその典型例。自宅録音では、この“環境との相性”が仕上がりに大きく影響してきます。
1. マイク(コンデンサーマイク vs ダイナミックマイク)

“歌ってみた”において最も重要とも言えるマイク。よく使われるのは「コンデンサーマイク」ですが、ここで一つ大切なことをお伝えしておきます。
🔍 コンデンサーマイクは「高性能すぎる」ことが弱点になることも
コンデンサーマイクは非常に感度が高く、繊細な息遣いや声のニュアンスをクリアに録音できます。しかしその一方で、ちょっとした環境音も容赦なく拾ってしまうのです。
たとえば…
- エアコンの風の音
- キーボードのカチャカチャ音
- 隣の部屋のテレビの音
- 窓の外の車の音
こうした“生活音”が、想像以上に録音に入り込んできます。さらに、壁や天井の反響音(リバーブ)も拾いやすいため、防音や吸音の工夫をしないと、せっかくの美声が台無しになることも。
✔ 対策ポイント
- カーテンや布団で反響を抑える
- 録音時は静かな時間帯を選ぶ
- ノイズの少ないオーディオインターフェースを使う
- 静音性の高いPCやファンレス環境だと理想的
逆に言えば、環境を整えられる人にとっては、コンデンサーマイクは非常に心強いアイテム。「部屋の静かさ」と「マイクの性能」はセットで考えるのがポイントです。
一方、多少音質が落ちても「環境に左右されにくい方がいい」という方には、ダイナミックマイクという選択肢もあります。こちらは指向性が強く、周囲の音を拾いにくいため、雑音の多い環境ではかえって好都合です。
歌ってみたにおすすめなイチオシマイク

レコーディングからDiscordの通話、ゲーム実況まで何でもいけちゃうオールラウンダーなコスパ最強定番モデル。
色々調べてもどれがいいのかよくわからん…という方はこれを買っておけば間違いナシ!
XLRタイプのマイクを購入する際はケーブルも用意しよう
USBタイプのマイクの場合はケーブルが付属してくるので気にしなくて大丈夫なんですけど、XLRタイプのマイクを使う場合はオーディオインターフェースと繋げるためのケーブルが必要です。
この時に使うケーブルは端子の形状が特殊でXLR端子(別名キャノン端子)というものが使われているケーブルを用意する必要があります。


このケーブルも金額帯によって音質が変わってくると言われていますが、最初のうちはカナレというブランドのケーブルを使っておけばとりあえずは事足りると思います。





音響系のケーブルは短いと何かと不便だから3mか5mのケーブルを買っておくと安心だよ
2. オーディオインターフェース


マイクとPCをつなぐための必須アイテム。オーディオインターフェースがないと、XLRマイクをPCに接続することはできません。
さらに、オーディオインターフェースには以下のような重要な役割があります。
- アナログ信号をデジタルに変換(AD変換)してPCに伝える
- 録音時の音質を大きく左右する
- レイテンシ(音の遅延)を軽減する
特に“歌ってみた”のようにタイミングがシビアな音楽録音では、低レイテンシ性能がかなり重要。録音時に自分の声が遅れて聞こえると、歌に影響が出てしまいます。
また、ヘッドホン端子が付いていてダイレクトモニタリングが可能なモデルだと、録音しながら自分の声をリアルタイムで確認できて便利です。
初心者にはBehringer UMC22やUM2が使いやすく、中〜上級者にはFocusrite ScarlettシリーズやSteinberg URシリーズが定番です。
歌ってみたにおすすめなイチオシオーディオーンターフェース


一万円以下で購入できるリーズナブルな入門機。いきなり高いやつ買って定着しなかったら嫌だなぁという方におすすめ


3. ヘッドホン(密閉型がおすすめ)
録音中に使うヘッドホンは、必ず「密閉型」を選びましょう。理由はシンプルで、開放型だと音漏れして、マイクに伴奏の音が入ってしまう可能性があるからです。
ヘッドホンは録音だけでなく、ミックスやノイズ確認などの編集工程にも使う重要な機材です。音のバランスを正確にチェックするには、モニターヘッドホンのような「フラットな音質」のものが適しています。
おすすめの密閉型モニターヘッドホン:
- audio-technica ATH-M20x(コスパ重視)
- SONY MDR-CD900ST(業界定番)
- YAMAHA HPH-MT5(バランス型)
録音時には「片耳だけ外してモニターしながら歌う」という人も多いので、ヘッドホンは長時間装着しても疲れにくいタイプを選ぶのもポイントです。
歌ってみたにおすすめなイチオシヘッドホン


大体どのサイトでヘッドホンと調べても上の方に出てくるような定番モデル。3つグレードがあるうちの真ん中のモデルでコスパ最強。
4. ポップガード・マイクスタンド


ポップガードは、歌声に含まれる破裂音(特に「パ行」「バ行」など)を軽減するフィルター。マイクの前に丸いメッシュが付いたアレですね。これがあるだけで、録音がよりクリアに、聴きやすくなります。
「なくても録れる」けど「あると圧倒的に違う」という、小さいけど超重要なアイテムです。
マイクスタンドは、卓上型・フロア型・アーム型などがあります。自分の録音スタイルや机の広さに合わせて選びましょう。
✔ ポップガードの設置ポイント
- マイクから5〜10cmの位置に配置
- 歌うときに息が直接マイクに当たらないようにする
- 位置がズレないよう、しっかり固定
ブームアーム型スタンドだと、位置調整がしやすく、録音しないときはコンパクトに片付けられるので人気があります。
歌ってみたにおすすめなポップガードとマイクスタンド


マイクスタンドに固定するタイプのポップガード。レコーディングスタジオにも置いてあるような人気なモデル。
予算別おすすめ機材セット
💰 初心者向け1万円台セット
- マイク:Fifine K669B(USBコンデンサーマイク)
- マイクアーム:Alterzone ALZ-M3
- ヘッドホン:OneOdio Pro10



合計15,000円ぐらい!
おすすめポイント
- 設定が簡単
- ノイズも少なめ
- 音質も価格の割に◎


💰💰 中級者向け3万円台セット
- オーディオインターフェース:YAMAHA AG03 mk2
- マイク:Audio-Technica AT2020(XLR)
- ヘッドホン:ATH-M20x
- ポップガード・スタンド:YOPIN製マイクアーム(ポップガード付属)
- ケーブル:カナレ3m



セット販売のやつを買えば35,000円ぐらい!
おすすめポイント
- しっかり録音したい人向け
- XLR接続で音質アップ
- 必要なものが一通り揃う


セット販売があるよ


💰💰💰 本格派向け5万円超セット
- マイク:Rode NT1(ポップガード付属)
- インターフェース:motu M2
- ヘッドホン:SONY MDR-CD900ST
- マイクスタンド:TAMA ストレートマイクスタンド
- ケーブル:カナレ3m



トータルで10万行かないぐらいの金額だけどどれも持ってて損はない良いクオリティの製品ばっかりだよ!
🔸おすすめポイント
- 業務レベルの音質
- 長く使える高品質構成
- 防音対策も並行して整えたい


部屋を“録音向け”にするちょい工夫
機材を揃えるだけでなく、部屋の環境を少し工夫するだけでも音質はグッと上がります。
🛏 布団やカーテンで吸音
録音環境の中で、特に見落とされがちなのが「反響音(リバーブ)」です。自分では気づきにくいですが、マイクは声の跳ね返りも拾ってしまうため、部屋の“響き”がそのまま録音に残ってしまうことがあります。これを防ぐために役立つのが、布団やカーテンといった身近な吸音アイテムです。
たとえば、窓や壁に厚手のカーテンを掛けるだけで、声の反射がかなり軽減されます。さらに、布団や毛布をマイクの後ろや横に立てかけるだけでも簡易的な吸音ブースとして機能します。これらは市販の吸音材に比べてコストがかからず、設置や撤去も簡単。賃貸でも安心して使えるのがメリットです。
特に反響しやすいのは、壁・窓・床・天井といった硬い面。これらの面積が大きいほど音が跳ね返りやすくなるため、できるだけ「柔らかい素材」で覆うのがポイントです。もし録音時に「声が少し響いている」と感じたら、まずは布団やカーテンでの吸音対策を試してみるとよいでしょう。
実際に布団で周囲を囲んで“即席録音ブース”のようにする人も多く、音質がガラッと変わったという声も。高価な吸音パネルがなくても、工夫次第で十分プロっぽい録音環境がつくれるのです。
🔇 静音家電・ファンレスPCの活用
録音中に聞こえる「サーッ」という音、実はPCのファン音や空気清浄機のモーター音であることが多いんです。これらは無意識に聞き流せてしまう環境音ですが、高感度なコンデンサーマイクにはしっかり録音されてしまうため、音質の劣化やノイズの原因になります。
そこで活用したいのが、静音設計の家電やファンレス仕様のPCです。たとえば、自作PCであればファンレスのCPUクーラーや静音電源を選んだり、ノートPCでもファンが回りにくい省電力モードに設定するだけでもかなり効果があります。
また、空気清浄機や加湿器、エアコンなどを使用している場合は、録音時だけ一時的に停止するのもひとつの方法。どうしても止められない場合は、それらの音がマイクに直接届かないよう布やパネルで遮るなど、工夫するだけでもノイズを軽減できます。
特にナレーションやアカペラなど、無音の中で声だけが響く録音では、環境ノイズの有無が音質に大きな差を生むため、PCや家電の静音性はあなどれません。ちょっとした配慮で録音のクオリティは驚くほどアップします。
あるある失敗談とその対策
😰 失敗1:録音したら「ボワン」と響いてしまった
→ 対策:反響音が強い部屋は、布団やカーテンで吸音対策。壁や天井からの跳ね返りを減らすために、厚手の毛布や吸音パネルを壁に貼るのが効果的です。クローゼットの中に布団を敷き詰めて録音ブース代わりにするという“宅録あるある”もおすすめ。
😥 失敗2:録音中に隣の生活音が入りまくり
→ 対策:録音は深夜や早朝など静かな時間帯に。**ノイズゲートやノイズリダクション系のVSTプラグイン(iZotope RXやWaves X-Noiseなど)**を使うことで、ある程度の音は後から軽減できます。ただし万能ではないので、できるだけ録音前に環境を静かにするのが基本です。
😓 失敗3:録った音がモコモコしてこもってる
→ 対策:マイクの距離や角度を見直す。口から15〜20cm程度離し、マイクの真正面ではなく少しズラした位置から歌うことで、こもり感が軽減されることも。また、録音した音が「モコモコ」している場合は、部屋全体が吸音過剰になっている可能性もあるので、吸音のしすぎにも注意が必要です。
防音・吸音のDIY術
📦 ダンボール簡易ブース
引っ越しの際に出た段ボール箱を使って、即席の録音ブースを作ることができます。内側にスポンジ、ウレタンマット、フェルトなど柔らかい素材を貼り付けると、音の反響を抑えてくれます。机の上に箱をかぶせてマイクを中に設置するだけでも、かなり効果的な簡易防音空間になります。
🧵 カーテンや毛布で壁を覆う
壁にカーテンレールやフックを取り付けて、厚手のカーテンや毛布を吊るすだけで、吸音効果がアップします。見た目が気になる人は、カーテンの色や素材をインテリアに合わせて選ぶと、部屋の雰囲気を壊さずに吸音対策ができます。録音時にだけ壁を覆う“着脱式”にするのもおすすめ。
🪟 窓からの音をシャットアウト
外の音が気になるなら、まずは窓の防音が最優先。養生テープで段ボールを貼るだけでも防音効果がありますし、100円ショップの遮音カーテンやウレタンボードを活用するのも手。二重窓のような構造を作ると、外の車や鳥の声をかなり遮断できます。
よくある質問コーナー(Q&A)
まとめ
“歌ってみた”の収録は、適切な機材選びと環境作りさえ意識すれば、自宅でも驚くほど高クオリティに仕上げることが可能です。
特にコンデンサーマイクは「環境が整ってこそ真価を発揮する」道具。静かな部屋・反響の少ない空間・静音機器など、少しずつ揃えていけば、初心者でも十分に満足のいく録音ができますよ。
この記事が、自分に合った機材を見つける手助けになれば幸いです。
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